切ない“弦楽のためのアダージョ”:サミュエル・バーバー作曲
いらっしゃいませ♪
この曲はアメリカの作曲家バーバーが、1937年(27歳)に弦楽合奏のために作曲した楽曲です。
1963年のケネディ大統領の葬儀の際に使用されて有名になったため、その後も慰霊祭などで使われることが多く、葬送曲のイメージが強いかもしれません。
映画のクライマックスシーンで流れたり(“プラトーン” “エレファントマン”が有名ですね)、日本のドラマでも使われているので、耳にしたこともあるのではないでしょうか。
アダージョ(音楽の速度記号で“ゆるやかに演奏せよ”の意味)の名の通り、かなりゆっくりなテンポです。
静かに静かに始まる悲しげなメロディが耳を惹きつけるので、この曲がネットラジオから流れてくると、手を止めて聴き入ってしまいます
そして、だんだんと緊張感が高まり慟哭しているように聴こえる演奏がクライマックスを迎えると、感情が高ぶり切ない切ない気持ちに…。
最後はゆっくりと静かに消え入るように終わります。
バーバー本人は「葬儀のために作った曲じゃない」と不満だったそうですが、生きていることも切ない、死ぬことも切ないという人間の存在の悲しさを見事に音に乗せているように感じます。
そんな曲を27歳の時に作曲してしまったんですね。
では、ゆっくりとお聴きください♪
宮沢賢治作詞作曲『星めぐりのうた』を知っていますか?
いらっしゃいませ♪
今日も歌の曲のご紹介です。
この歌を最初に聴いたのは、高倉健さんの遺作になった映画「あなたへ」を観ていた時でした。
田中裕子さんが刑務所慰問のシーンで歌っていたのです。
美しいメロディと不思議な歌詞が頭に残り、何の曲だろう?と調べてみたら、宮沢賢治が作詞作曲した歌だとわかり感激しました。
星めぐりのうた
あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。
オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。
大ぐまのあしを きたに
五つのばした ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。
この詩は、宮沢賢治の初期の童話「双子の星」の中で登場し、晩年の「銀河鉄道の夜」の中では“星めぐりのうた”という名称だけが出てきます。
宮沢賢治作曲となっていますが、彼が口ずさんでいたものを友人が楽譜に書きおこしたとも言われていて、ハッキリしません。
眠れない夜などに、この曲を聴きながら星空を思い浮かべていると、いつの間にか眠っていたりします。
では、林光編曲、当間修一指揮、大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団の歌声でお聴きください♪
Dies Irae (Requiem):カール・ジェンキンス作曲
いらっしゃいませ♪
今日は現代曲のご紹介です。
イギリスのミュージシャンカール・ジェンキンス(現在73歳)が作曲した『レクイエム』から“Dies irae”です。
ジェンキンスは、前衛クラシック音楽ユニット“アディエマス”のプロデューサーでもあり、民族性を感じる独特なヒーリングサウンドで一躍有名になりました。
そのジェンキンスが2005年に作曲したのが、この「レクイエム」。
初めて聴いた時は、「これがレクイエム? 日本の有名人の辞世の句が歌詞に入っているし、尺八も聞こえるし、アフリカ民族っぽいビート感があるし・・・何これ?」とビックリ!!!
特に、この“Dies irae(怒りの日)”はクラシック曲感ゼロですが、とても刺激的でリズミカルで印象的な曲ですので、ぜひ聴いてみてください。
Karl Jenkins & Adiemusの演奏です♪
お時間がありましたら、この『レクイエム』全曲を聴かれることをおススメします。
クリスタル・ヴォイス“Sissel”が歌う『O Mio Babbino Caro』:プッチーニ作曲
いらっしゃいませ♪
イタリアの作曲家ジャコモ・プッチーニが1918年(60歳)に作曲したオペラ“ジャンニ・スキッキ”の中で、娘ラウレッタが歌うアリア。
オペラのアリアの中でも特に有名な曲で、単独でもコンサートなどで歌われることが多い曲です。
声楽の勉強をしたソプラノ歌手が歌う動画は沢山ありますが、今日は透明感溢れる“クリスタル・ヴォイス”を持つシセルの歌声をご紹介します。
ノルウェー出身(現在48歳)の国民的歌手。1994年リレハンメル五輪の開会式&閉会式でのアカペラ独唱が評判になり、国際的にも評価されて世界で活躍するようになりました。
彼女の歌声を初めて聴いた時、クラシックのソプラノ歌手とはまた異なる、自然で無理のない発声に惹き込まれました。
ただただ美しく透明な歌声です。
では、お聴きください♪
無料のネットラジオ“OTTAVA”を聴いたことありますか?
いらっしゃいませ♪
クラシック音楽好きの方は既にご存知の方も多いかと思いますが、スマホやパソコンで無料で聴けるクラシック音楽専門のインターネットラジオのご紹介です。
まず嬉しいのが月~金曜日は昼間と夜に生放送があること!
音楽関連の専門家のプレゼンター達が、昼間4時間・夜4時間も情報やおしゃべりを提供しながら、次々とクラシック音楽を聴かせてくれます。
土曜日の午後にも4時間の生放送があります。
♬これが1週間のタイムテーブル
そして、生放送の時間以外も再放送や録音番組で、とにかく24時間クラシック音楽を流し続けてくれるのです。
3年近く前に偶然見つけて、あまりに心地いいのでずっとスマホやパソコンで流し聴きしています♪
クラシック音楽関連の情報も知ることが出来ますし、知らなかった曲や作曲家に出会ってトキメいたり・・・
番組によっては、リクエストやお便りも受け付けています。
確か、最初だけ「聴いている地域、年代、性別」を入力しますが、あとは聴き放題ですので、ぜひ一度聴いてみてください!
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“四季”からロックみたいな『夏』:ヴィバルディ作曲
いらっしゃいませ♪
有名なクラシック曲の1つ『四季』から“夏”です。
ヴェネチアのカトリック教会の司祭でもあったアントニオ・ヴィバルディが1725年(47歳)に作曲したヴァイオリン協奏曲。
“春”が一番有名ですね。
司祭の作ったバロック音楽ですが、この“夏”に関してはロックにも通じるような激しさを感じてしまって、ドキドキしてしまうのです。
日本が江戸時代だった頃に、こんなにカッコいい音楽が演奏されていたなんて・・・。
そういえば、ヴィバルディの巻き毛のロン毛がロックスターに見えなくもないです。
イタリアのイ・ムジチ合奏団による“夏”から一部抜粋の演奏をお聴きください。
暑い夏ですが、ますます熱くなるかも・・・