動物の謝肉祭より”水族館”:サン・サーンス作曲
いらっしゃいませ♪
猛暑が続いていますね💦
今日は清涼感を感じる涼し気な曲をご紹介します。
この曲もCMやドラマ、映画などでよく使われるので、殆どの方が「聴いたことがある!」という曲の1つでしょう。
フランスの作曲家サン=サーンスが、1886年(51歳)に作曲した組曲『動物の謝肉祭』の第7曲目“水族館”。
この組曲は、プライベートな夜会のために作曲され、他の作曲家の曲をパロディにして風刺的でもあったため、サン・サーンスは自身が亡くなるまでこの曲の出版と演奏を禁じていたようですが、評判が広がっていて死後の翌年には早速演奏されてブレイクしました。
今では彼の代表作でもあり、名曲として世界で親しまれていますね。
サン・サーンスはオルガニスト&ピアニストでもあり、幼い頃から才能を発揮した神童で、天才で博識だったからか嫌味な性格だったとか・・・。
有名な曲をパロディにしたユーモラスな曲を作ったのも、そんな彼の性格から来ているようです。
14曲のうち、他の作曲家の有名な曲がパロディになっているのは4曲。
第4曲「亀」は、オッフェンバックの「天国と地獄」の旋律を敢えてスローテンポで演奏し、第5曲「象」ではベルリオーズ「ファウストの劫罰」から「妖精のワルツ」とメンデルスゾーン「夏の世の夢」から「スケルツォ」が組み込まれています。
第12曲「化石」では自作の「死の舞踏」から「骸骨の踊り」、ロッシーニ「セビリアの理髪師」から「ロジーナのアリア」、そして「きらきら星」やフランス民謡などの旋律が組み込まれ、最後の第14曲で再度「天国と地獄」の旋律が形を変えて出てきます。
ちなみに第13曲「白鳥」はオリジナル曲で、この組曲中もっとも有名な美しい曲。バレエ「瀕死の白鳥」はこの曲に振付をした作品です。
そして、今日ご紹介する第7曲の『水族館』は、謝肉祭(カーニバル)で大きな水槽が行進していく様子と印象を描写した曲。
グラスハーモニカとピアノのキラキラした音で水槽の中の澄んだ水と泡を、フルートとヴァイオリンでスイスイと泳ぐ美しい魚たちを描写しています。
ミステリアス&ファンタジーで幻想的なメロディが涼しさを運んできます。
では、
ロンドンが誇るスーパー室内楽団ナッシュ・アンサンブル(Nash Ensemble)の演奏でゆっくり涼んでいってください。
🐠おまけ
先日 小旅行で山形へ出かけ、クラゲで有名な加茂水族館(鶴岡市)を訪れました。その時に撮ったクラゲの写真も涼し気なので載せておきます♪
加茂水族館、おススメです!
月の光:ドビュッシー作曲♪
いらっしゃいませ♪
久しぶりの開店です。
フランスのドビュッシーが1890年頃に作曲したピアノ独奏曲『ベルガマスク組曲』。4曲で構成されるうちの第3曲目が「月の光」です。
クラシック曲の中でも、よく知られた美しい曲ですね。
フランスの詩人ヴェルレーヌの詩集「雅(みやび)な宴」の中の「月の光」という詩にひかれたドビュッシーは歌曲を作曲し、その頃に恋していたヴァニエ夫人に贈っています。その数年後、ピアノの音だけで「月の光」の詩の世界観を表現したのがこの曲。
ベートーヴェンの「月光ソナタ」ではないですが、こちらも恋する切なさが根底にあるのですね。
「月光ソナタ」は苦悩や熱情を感じさせるけれど、この「月の光」は静かな優しさや満たされた愛を感じます。
聴いていると、目の前にキラキラと月の光が浮かぶ湖が現れて、心静かになり、意識が浄化されるような気さえします。
究極のヒーリングミュージックではないでしょうか。
マケドニア共和国出身の37歳のピアニスト、シモン・トルプチェスキ (Simon Trpceski)の美しい演奏を聴いて癒されてください♪
カヴァレリア・ルスティカーナ『間奏曲』:ピエトロ・マスカーニ作曲
”カヴァレリア・ルスティカーナ”は、1890年にイタリアのマスカーニが戯曲を基に作曲したオペラ。
シチリア島を舞台にした人妻との不倫の末に起きる決闘と殺人という血生臭い内容で、1幕(70分)だけの舞台の途中に流れる間奏曲がこれです。
緊張感のある場面の合間に静かに流れる美しい旋律は、教会でミサが行われているシーンを表現しているそうです。単独で演奏会などでも取り上げられることも多い名旋律です。
物語は三面記事のようではありますが、ソリストや合唱の歌う旋律はもちろん、この間奏曲に代表される管弦楽も美しいオペラです。
アマチュアの混声合唱団の定期演奏会で、このオペラをやったことがあり、ソプラノソリストの歌声の美しさに感動しました。
この曲は、ゴッドファーザー3のラストシーンで流れたことで有名になったと言われています。
ジョルジュ・プレートル指揮、フランス国立管弦楽団の演奏をお楽しみください♪ (表情豊かな指揮者にも注目です!)
月光ソナタ:ベートーヴェン作曲♪
元々は「幻想曲風ソナタ」というタイトルでしたが、ベートーヴェンの死後ドイツの詩人が第一楽章を聴いて「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう。」と表現したことが広まり、「月光ソナタ」の愛称で呼ばれるようになったそうです。
第1楽章は本当にロマンチックですね。
何度聴いても「苦悩に満ちた愛の告白」をされているような、せつない気持ちになります。
素敵な男性に弾いてもらえたら、女性はウットリ・・・間違いないです。
この曲は、恋多きベートーヴェンが当時好意を寄せていた12歳年下の伯爵令嬢ジュリエッタに贈った曲ですが、身分の違いから結ばれなかった悲しい結末だったとか・・・。
この曲に込めた「せつない気持ち」が現代の私達にも伝わってくるようです。
↑この曲を作曲した頃の若きベートーヴェン
第一楽章はロマンチックな繊細さ、第二楽章は軽やかさ、第三楽章は激しさを感じさせ、変化に富んでいて飽きさせません。恋する感情そのものですね。
では、世界的ピアニストエフゲニー・キーシン(Evgeny Kissin)のリサイタル演奏をお楽しみください♪